BIとは、ビジネスにおいて迅速かつ正確な意思決定を行うために企業内に蓄積された各種のデータを活用すること、またそれを支援するシステムやテクノロジーのこと。ビジネスインテリジェンス。Business Intelligence 。
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概要
BIを理解するためには、データとインフォメーション、インテリジェンスを区別しなければならない。データは、「ある事象から抽出された数値等の客観的な事実」のことでそれ自体では意味をなさない。一方、インフォメーションは「ある目的のために役立つよう加工されたデータ」である。そして、インテリジェンスはデータから意思決定に有用なインフォメーションを作成・抽出し、利用することである。
したがって、BIとはビジネスにおいて企業の活動に関連したデータから、正確で有用なインフォメーションを作成・抽出し、それを意思決定に役立てることである。 ビジネスにおいて意志決定は不可欠であり、現状を正確に把握し意思決定に反映させることが非常に重要になる。モノや情報の流れが活発になった今日では、勘や経験に頼った意思決定を行うのではく、情報(事実)を収集・分析することで現状を把握し、正確な意思決定を行うことが望まれるようになり、BIの重要性が増した。
活用事例
BI機能を使って業績向上の策を導き出すために、まずはデータベースに蓄積された過去の販売データから事業別の売上の推移を確認した。売上が下がっているのは音楽事業だったので詳細を確認することにした。音楽事業の売上の内訳をみると音楽自体の売上が著しく減少していることが分かったが、利益額には大きな変動がないことが分かった。原因を突き止めるために音楽の売上の内訳を確認したところ、CDの売上が大きく落ち込んでいる一方で、音楽配信からの売上が大きく伸びていることが分かり、これまで音楽販売でかかっていたハードウェアのコストがカットされたことが、売上が下がったのにもかかわらず利益額が下がっていない原因だった。音楽配信の重要性を確認し、さらに顧客を分析したところ20代、30代の女性がメインユーザーで50代以上の顧客が極端に少ないことが分かった。過去のCDの販売データを確認したところ、音楽事業でもともと50代以上の顧客が少ないわけではないことがわかり、CDの販売と配信による販売の過去と現在の年代別顧客数を比較した。その結果、他の年代が大きく音楽配信に移行しているのにも関らず、50代以上の顧客数が依然、CDによって音楽を購入していることが分かった。
この分析の結果、一見売上が下がっている音楽事業が実は利益率の高い優良事業であることが分かり、50代以上の顧客をCDから配信へ移行させる対策をとることで効果的にさらなる利益率向上が図れることが分かった。さらに、過去のCDの販売記録を分析すると、20代、30代女性への販売数と50代以上女性への販売数には相関関係があることが分かった。この結果から、娘が母に購入を勧めているという状況が想定された。以上から、まずは50代以上女性にターゲットを絞り、音楽配信事業へ移行を促進させるために、本人ではなく娘の世代である20代、30代に働きかける策をとることが決定された。
このように、過去から蓄積されたデータに対して、一見関係のないものを組み合わせたり、様々な角度に掘り下げていくなどといった分析を即座に行い、正確で迅速な意思決定を支援してくれるものがBIである。
重要点
BIで重要なことは、「なにをどう使用するのか」である。意思決定を料理に例えると分かりやすい。 おいしい料理を作るためには、まずはよい素材を選び、それを自分が食べたいようにおいしく調理する。同じように、正しい意思決定を行うには、よいデータを選び、意思決定に役立つ情報を導びきだす。おいしい料理を作るには、必要ない素材や傷んだ素材は選んではいけない。データも同じで自分の意思決定に有用になり得、かつ正確なものを選ばなければならない。また、調理法次第ではせっかくの良い素材を台無しにしてしまったり、望んでいたものとは異なるものが出来上がったりしてしまう。同じように、せっかく意思決定に有用になり得るデータも、分析次第では間違ったインフォメーションになったり、意思決定には役立たないインフォメーションになったりする。
BI機能を搭載したシステム
BI機能で必要なのは、企業の活動に関連したデータとそれを分析し意思決定に役立てる分析である。今日、それらは個々の情報システムやソフトウェアが統合されている。
データウェアハウス・データマート
| ERPとは |
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| Enterprise Resource Planning の略で、日本語では「企業資源計画」や「経営資源計画」と訳される。経営資源を一元的に管理し、効率的に使用しようとする手法で、情報システムでは活動データの一元管理・共有を図る。 |
データウェアハウスとは、データベースのことで、企業活動のデータが意思決定という目的の下で分析に適した形で編成し蓄積される。ERPなどの業務を統合的に管理するアプリケーションから企業活動に関するデータを収集する。料理でいえば市場のようなもので料理に必要な素材が手に入る。そこでは、素材は種類によって青果店・精肉店・鮮魚店にまとまって売られている。DWH、Data Warehouse。
また、個人や部局などさらに細かい使用目的に応じて特定のデータを抽出・整理し直したデータベースのことをデータマートと呼ぶこともある。京料理を作るための京野菜や京都名産品だけを取り扱う市場のようなもの。
データマイニング・オンライン分析処理
データマイニングとは、統計学などを使ってデータを解析し、データの中に潜む項目間の関係やパターン、ルールなどを探し出す技術。 オンライン分析技術とは、「地域別」・「製品別」・「月別」など様々な角度からデータをみたり、「月別」から「日別」へといったようにデータを細かく掘り下げていくことで分析を行う技術でこれらの要求に素早く回答する。OLAP、online analytical processing。
これらの技術によって、DWHに蓄積されたデータから意思決定に役立つ情報が生み出される。料理でいえば、まさに素材をおいしい料理に変える調理技術である。
BPMにおけるBIの活用
BPMは、継続的なビジネスプロセスの改善活動であり、ビジネスプロセスの設計・実行・監視・修正を継続的に実施する。BPMにおける意思決定でもBIを活用することが望まれるが、ビジネスプロセスをリアルタイムに監視し、意思決定に役立てるBAMという概念もある。
これらの違いはBPMにおけるPDCAサイクルの中で確認すると分かりやすい。Plan(ビジネスプロセスの設計)
業務の進め方を変更・決定する。BIを使って、これまでに蓄積されたデータに基づき効率的だと思われるプロセスを設定することが望ましい。同時に、プロセスを実施する際に重要になる要素を見つけ出し、それを計る指標を設定する。この指標をKPIと言い、KPIをまとめて経営者やマネージャーなどのプロセスの管理者に表示したものをダッシュボードという。
Do(ビジネスプロセスの実行)
設計されたプロセスを忠実に実施する。
Check(ビジネスプロセスの監視)
ビジネスプロセスの実施と同時に、ビジネスプロセスが忠実に実施されているかダッシュボードを利用してリアルタイムでモニタリングする。これが、BAMである。
モニタリングを通して得られた情報はデータベースに蓄積する。このデータベースに蓄積された過去の実行結果に関するデータを分析し、プロセスの再構築を必要とするようなメタレベルの問題を特定する。これが、BIである。
Act(ビジネスプロセス上の問題の改善)
ビジネスプロセスの実行中に、BAMを通してビジネスプロセスの実行を妨げるような問題を発見した場合、迅速に対応する。 Check段階で発見したビジネスプロセスの再構築を必要とするメタレベルの問題に対しては、plan段階に戻りビジネスプロセスを再構築して解決する。
ダッシュボードをどのように構成するかはBIが扱う問題であり、ダッシュボードを実際に活用するのはBAMである。







