ABC管理とは、管理対象を重要度に応じてクラス分けし、クラスごとに異なる扱いをして効果的な管理を行おうとする方法で、重点管理とも呼ばれる。
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概要
経済学において、結果の大部分は結果を導く集合の一部の要素が生み出しているという法則(パレートの法則)が存在する。例えば、売上の大部分は全商品のうちの一部の売れ筋商品から生み出されているというものである。翻れば、結果を大きく左右する一部の要素を管理すれば、結果をある程度管理できるということになる。例えば、売れ筋商品が今まで通り売れば、売上の大部分は確保できるというものである。
ABC管理はこの考え方に基づいた管理法で、結果に与える影響度から管理対象に優先順位をつけ、優先順位の高いものから重点的に管理するものだ。言い換えれば、限られた資源(例えば在庫スペース)を結果への影響度の大小に基づいて配分する管理法である。効率性という観点から、ABC管理は合理的で好ましい管理法である。
具体例を考えれば、分かりやすい。例えば、売れ筋商品には売れ筋でない商品よりも広い陳列スペースを割いたほうが効率的だろう。同じ陳列スペースでもより大きな売り上げを期待できるからだ。
分析
| ロングテールとは |
|---|
| 大量販売が見込めないニッチ市場における多品種少量販売がビジネスモデルになるという理論。 |
ABC管理には管理対象に優先順位をつけることが必須であるが、優先順位をつけるための分析がABC分析と呼ばれる。 実際には、管理対象は結果への貢献度から数グループに分けられる。ABC管理のABCは、重要度の高い順にA、B、Cの三つのグループにわける場合が多いことに由来している。 実際の手順は以下のようになる。ただし、下では売上に対する構成比によって優先順位を決定しているが、近年売上の構成比などだけでは重要性が十分には計れなくなっているので、重要度を計る指標を選定する際も十分に注意する必要がある(下記の「ロングテール」で後述)。
- 品目ごとに結果の構成比を算出し割合の大きい順に並びかえ、結果に対する累積構成比を割り出す。
それらに、基づきABC分析表を作成する。例えば、全体の売上に占める個々の商品の割合など。
| 順位 | 品目 | 構成比 | 累積構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | item A | 35% | 35% |
| 2 | item B | 32% | 67% |
| 3 | item C | 15% | 82% |
| 4 | item D | 7% | 89% |
| 5 | item E | 4% | 93% |
| 6 | item F | 3% | 96% |
| 7 | item G | 2.5% | 98.5% |
| 8 | item H | 1.5% | 100% |
- ABC分析表に基づき、ABC分析図(パレート図)を作成する。棒グラフは構成比を、折れ線グラフは累積構成比を表す。
- 表や図を基に品目をクラス分けする。上の図では、A、B、Cの三つにクラス分けを行っている。
重要な問題なのが、「何グループに分けるのか」や「どこで線を引くのか」という問題である。
一般的には累計構成比の上位から、80%程度までをA、80~90%程度をB、それ以外をCとするが、業界や品目の特性などに応じて変化させる必要がある。
- クラス分けを行った後は各クラスをどのように扱うかを決定していく。
管理
ABC分析によって、クラス分けした後に各クラスに対して管理法を決定する。優先度の高いクラスは、重点的に管理され(資源が多く配分)されなければならない。ABC管理は、主に在庫管理や顧客管理において活用される管理手法である。
在庫管理を例にとると、在庫管理において、Aクラスの品目が絶対に切らしてはいけない品目であり、Cクラスの品目は逆にコストをかけてはいけない品目になるだろう。
したがって、一つの管理法として具体的には以下のような管理法が実施される可能性がある。
- Aクラスの品目:定期発注を行い、廃棄や在庫スペースは厭わない管理法をとる。
- Bクラスの品目:定量発注を行い、安全在庫水準を常に維持するような管理法とる。
- Cクラスの品目:在庫がなくなった時点で発注という管理法をとる。
ロングテール
ABC管理は人材やスペース、資金など限りある資源を重要度の高いものに配分しようとするものであるが、近年eコマースなどの普及によって陳列スペースや在庫スペースなどこれまで強い制約条件であった要素がそれほど強い条件ではなくなりつつある。したがって、これまでなら重要度の低いクラスに分類された商品や顧客に対しても分析や管理手法を見直す必要がある。
実際、ロングテールで指摘されたように、amazon.com や eBay などメインストリームから外れた商品も扱うことで高業績を上げるビジネスモデルも登場している。このようなビジネスモデルでは各品目の売上に占める割合はそれほど高くないので、これまでの売り上げの構成比などによるABC分析ではビジネスにおける重要度が正確には測れない。
今日のビジネス環境では、ABC分析を行う際の指標設定が非常に重要なる。
BPMとABCの関係
ABC管理の根本にある考えは、重要なものに多くの資源を配分するという考え方である。この考え方は、BPMにおいても実践されるべき考えである。 各ビジネスプロセスに対して重要度を特定し、重要度の高いビジネスプロセスについては重点的に管理する必要がある。
ビジネスプロセスの重要度の分析は難しいが、ABC分析と同様に売上に占める割合が高い商品や顧客を扱うビジネスプロセスは重要度の高いクラスに分類されたべきであるし、多くのビジネスプロセスへオブジェクトをフローするビジネスプロセスも重要度が高い。
また、目標達成のCSFに係るビジネスプロセスも重要度の高いプロセスであり、重点的に管理する必要がある。





