BSC とは、様々な視点からの戦略目標と個々の目標の達成方法をまとめて表現したもの、またそのような戦略作成手法。バランスト・スコアカード。バランス・スコアカード。Balanced ScoreCard。
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概要
| PDCAサイクルとは |
|---|
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PDCAサイクルとは、個人や組織のあらゆる活動を
の順に実施し、その4活動全体を繰り返し反復させる手法や考え方を指す。 今日様々な管理活動において導入され、ビジネスプロセスの管理活動においても、中心的な考え方となっている。 |
BSCとは、「売上目標 X億円!」など「収益の増大」という単一の視点から戦略目標を掲げるのではなく、「従業員の資格所得件数 X件」のような「従業員の学習」などの視点も取り入れ、複数の視点から目標を設定し、そういった目標をどのように達成すればよいのか個々の目標に対して示したものである。BSCの作成もPDCAサイクルにのせて行われることが望ましい。
「いかに収益を増大させるか」という財務的な視点からだけ目標を設定すると、短期的な戦略策定に陥ってしまう危険性がある。そこで、複数の視点から定量的な目標を設定し、バランスよく評価・改善することで長期的な競争力を築いていこうとするのが、BSCを使った企業管理手法である。代表的な戦略策定の視点としては
- 財務
- 顧客
- プロセス
- 学習
の4つが挙げられる。
- 学習視点からの目標は、プロセス視点からの目標を達成するため
- プロセス視点からの目標は、顧客視点からの目標を達成するため
- 顧客視点からの目標は、財務視点からの目標を達成するため
というように、各視点からの目標は結果的には財務視点からの目標に吸い上げられるが、財務視点からの目標に影響を及ぼすのに時間がかかる。その点で、長期的な成長を念頭に置いた戦略策定と言える。
歴史
- 1990年:情報化社会に適合した新たな業績評価システムを検討するため、米国コンサルタント会社KPMGのノーラン・ノートン研究所で研究プロジェクトが行われた。
- 1992年:上記の研究に参加したハーバード大学教授のロバート・S・キャプラン(Robert S. Kaplan)と、経営コンサルタントのデビッド・P・ノートン(David P. Norton)が「Harvard Business Review」誌上にBSCの概念を発表し、その後普及した。
- 2000年:ロバート・S・キャプランが「The Strategy-Focused Organization」で、4つの視点間で一貫性のある戦略を策定するためのツールとして、戦略マップ(「戦略マップ」については事例参照)を提唱した。
BSCの作成
BSCの作成手順は以下の通り。
- 財務視点以外にどのような視点を採用するか決定する。通常は、「顧客」「プロセス」「学習」の視点が採用される。
- As-is、To-beを分析する。
- 各視点における目標を決定する。
- CSF、KPIを決定し具体的なアクションまでブレイクダウンする。
- 財務視点
- いかに収益を増大させ株主の利益を生み出すかという視点から目標を設定。代表的なKPIとしては以下を参照。
- 顧客視点
- いかに顧客との関係を良好に維持・構築するかという視点から目標を設定。
- プロセス視点
- いかに設備や技術といった有形・無形資産を利用して効果的・効率的に業務を行うかという視点から目標を設定。
- 学習視点
- 従業員の技術などの無形資産をいかに創出していくかという視点から目標を設定。
| 企業ライフサイクルとは |
|---|
| 企業は一般に「創業期」「成長期」「成熟期」「衰退期」を経ながら変革していくという説。 |
企業がライフサイクルのどの段階にあるかによって、各視点において適した目標は変わってくる。
| ライフサイクル | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 創業期・成長期 | 成熟期 | 衰退期 | |||||
| 財務視点 | 売上・利益成長率 | ROA、ROE、ROI | 自己資本比率、キャッシュフロー | ||||
| 顧客視点 | 新規顧客獲得件数、マーケットシェア | 製品満足度指数、顧客定着率 | 顧客ロイヤリティー指標、クレーム処理時間 | ||||
| プロセス視点 | 資産回転率、品切れ率 | システム休止時間、生産リードタイム | レスポンスタイム、設備利用率 | ||||
| 学習視点 | 資格取得数、年間教育・訓練時間 | 社員定着率、モチベーション指数 | 従業員1人当たりの研修費用 | ||||
BSCのサンプル
企業によってBSCは異なるが、具体的には次のようなものが考えられる。
| 戦略目標(KGI) | CSF | KPI | 数値目標 | アクションプラン | |
|---|---|---|---|---|---|
| 財務視点 | 利益率の向上 顧客拡大 | 仕入・製造原価削減 付加価値増加 海外拠点設置 | 利益率 一台当たり粗利 地域別売上 | 55% ¥30000 20%UP | 自社生産比率の増加 商品化率、再資源化比率の向上 海外連携先を25ヵ所設置 |
| 顧客視点 | 顧客満足度向上 連携企業の販売機会拡大 | Internetによる在庫情報の提供 アライアンス製品の在庫管理 品質評価基準 | 引き合い件数 リピート受注件数 クレーム率 | 100件/月 25件/月 3% | 在庫検索サイトの立ち上げ アライアンス加盟企業募集 基準を用いた製品のランク付け |
| プロセス視点 | モデル工場づくり | 在庫管理システム 生産体制 | 在庫差異率 一人当たり生産台数 一人当たり生産粗利 | 0% 3台 150万 | ICチップによる在庫管理 作業改善リスト作成 部門別原価管理システムの導入 |
| 成長視点 | 人材育成 | 成果主義制度 研修制度 | ボーナス金額 研修時間 研修費用 | 15%UP | 働きがいのある職場づくり 成果と給与への反映の方法の決定 |
戦略マップ
戦略マップは、BSCの4つの視点(財務、顧客、プロセス、学習)の目標と課題・施策の関係を図示したもの。通常、BSCとともに作成される。戦略マップによって、戦略の全体像を把握することができる。BSCを「業績評価ツール」としてだけでなく、「マネジメントツール」として利用するためには欠かせない。
戦略マップは
- 経営者にとって、抽象的な目標から個々の具体的な目標を導くのに役立つ。戦略策定ツール。
- 従業員にとって、全社的な目標や全体の中での自分の役割の理解に役立つ。意思統一ツール、モチベーション管理ツール。
BPMとBSCの関係
BSCで採用される視点の一つに
- プロセス視点
がある。業務プロセスの視点から、目標が設定される。BPMは、この目標を達成するためのマネジメントであると位置づけることができる。BPMでは、BSCにおいて策定されたプロセス視点の目標から個々のプロセスにおける目標へとブレイクダウンしていく。
BPMは、リアルタイムのマネジメントとしての傾向が強いが、BSCがともに導入することで、プロセスに反映させられない従業員のスキルアップといった将来的な成長に関してもカバーできる。
関連記事
参考
| column BSCを例えるなら |
|---|
| 考案者のキャプランとノートンたちは企業経営を航空機の操縦に例えている。 経営者はパイロットであり、BSCの作成は操縦中にコックピット内のどのメーターに目をやるかと同じことである。 |
- 「バランス・スコアカード:新しい経営指標による企業変革」
- ロバート S. キャプラン、デビッド P. ノートン著、吉川武男訳 / 生産性出版
- 「バランス・スコアカード構築:基礎から運用までのパーフェクトガイド 」
- 吉川武男著 / 生産性出版
- 「MBA マネジメントブック」
- グロービス経営大学院編著 / ダイヤモンド社




