ザックマンフレームワークとは、複雑な組織を記述するために、どのような書類が必要であるかを示したものである。
目次 |
概要
ザックマンフレームワーク(Zachman Framework)とは、EA(Enterprise Architecture)を考えるための最初のフレームワークで、IBMのコンサルタントだったジョン・A・ザックマン(John A Zachman)が1987年に考案した。複雑な構造を持つ組織を体系的に記述・観測できるように、各要素の範囲や関係を分類し、整理したものである。視点と対象物を並べた6行6列の単純なマトリックス1つで構成されており、抽象化・汎用化を推進している。
ザックマンフレームワークは単純な構造であるため適用範囲が広く、分析の対象は組織の情報システムに限らず、あらゆる製品やプロジェクトの分析にも利用することができ、組織の全体構成の把握がどの程度進んできるのかを確認するのに役立つ。また、網羅的で包括的な構造であるため、必要な成果物の見落としを防ぐことができる。オープンなフレームワークであるため、特定のベンダー、製品、ユーザのビジネスモデルにも依存せず、関係者の意思疎通も容易となる。
EAとの関係
EAとは、企業や行政機関が組織全体を体系的に記述し、階層化して整理することによって業務やシステムを改善する仕組みである。EAはザックマンフレームワークを基にして開発されたものの総称であり、この枠組みに沿って実際の組織の構成要素を分類してあてはめることで、構造の整理や分析を行うことが可能となり、組織の全体構成を確認できる。ザックマンフレームワークには具体的な作業手順や成果物の定義、作業に役立つ成果物の部品などが全く用意されていない。そのため、抽象的であるゆえにEAを導入する立場の人にとって必ずしも使いやすいものではないと言われている。そのため、複数の研究者によって様々なフレームワークが開発されている。
表の見方
<横軸の視点>
誰が見るのかを示す。
- プランナー視点
- 取り扱う対象の範囲や構成要素を明らかにする
- 所有者視点
- 最終製品の利用者の視点、何ができるのか、それはどのように行われているのかが明らかにされる
- 設計者視点
- エンジニア、ITアーキテクトの視点で、利用者のニーズと技術的な制約の折り合いをつけ、製品の論理レベルの設計を行う
- 構築者視点
- 実際に製品を作る際の物理的な制約まで織り込んだ設計
- 下請け業者視点
- 設計図を実際の製品に落とし込む細部を決定
<縦軸の視点>
何を見るのかを示す。専門的に検討しなければならないフォーカスを与える。
- What
- エンティティとその関係
- How
- プロセスとI/O
- Where
- ノードとリンク
- Who
- 人と作業
- When
- 時間とサイクル
- Why
- 目的と手段
<個々のマス目>
視点と5W1Hの組み合わせによって定まる抽象的な内容を、適用する事象に応じて具体的に置き換えたもの.
一般的にUMLがカバーしている範囲は図1.の赤部分のみである。
記述方法は、1行目からすべてのセルを記述しても、任意のセルから記述してもよい。
ザックマンフレームワークに基づいたフレームワーク
ザックマンフレームワークに基づいたフレームワークの例として、以下のものが挙げられる。
- 民間IT標準団体The Open Groupが作成したTOGAF
- 米国防省が作成したDODAF
- 米国政府が作成したFEAF
- 日本政府が作成したEA策定ガイドライン




