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サービス提供者側とサービス利用者側で、そのサービスレベルの達成目標について両者間が合意することをサービス品質保証という。また、Service Level Agreementの頭文字をとってSLAとも呼ばれる。
概要
そもそもサービスとは実体のないもので内容がわかりづらく、特に中長期のサービスになると提供者側と利用者側で内容の認識に相違が生じることがある。なので、この相違をなくすためにサービスの品質についてあらかじめ契約書の文中もしくはSLA用の文書を作成し明文化して合意しておくことをSLAという。従来、通信サービス事業者が、利用者に提供するサービスの品質について保証する制度で、提供する回線の最低通信速度、ネットワーク内の平均遅延時間、利用不能時間の上限、などのサービス品質の保証項目や、それらが実現できなかった際のペナルティ(利用料金の減額など金銭的なものや、アクションプランの策定・実施など)をサービス契約に含めることを指していた。しかし、昨今では通信サービス事業以外でも導入されている。
SLAを採用する目的
- 高品質のサービスレベルの維持
- サービスレベルを明確にすることによる、ユーザーの利便性の向上
- サービス提供者側、サービス利用者側それぞれの責任範囲の明確化
効果
- サービスレベルに見合ったコストの明確化
- 合意と達成、報告と改善を通じ現行システムの問題点、課題点の把握
- サービス提供者側とサービス利用者側への信頼関係の構築
SLAが導入された背景
もともとはアメリカの大手通信事業者が導入した制度で、1980年代後期から導入されていた。日本ではIIJ(Internet Initiative Japan)が1999年6月に「サービス品質保証制度」として導入したのが最初である。
今日では、通信サービス以外の各種サービスにおいても用いられるようになっており、ホスティングサービス、ASPやオンライン・アプリケーションサービス、企業情報システムの運用・保守アウトソーシング、さらにはOA機器の保守をはじめとする各種のメンテナンスサービスなどにもSLAは広がっている。
また、SLAによる効果を期待し、企業間の契約だけではなく、社内システムなどにも有効な手法として考えられ始めている。
一般的なSLA項目
一般的なSLA項目としては、例として以下のようなものが挙げられる。
可用性(アベイラビリティ)
- サービス時間 : ユーザーが利用できるサービス時間帯。
- サービス稼働率 : ユーザーが特定のサービスを利用できる確率。
- 障害回復時間 : 障害を検知してから、障害が回復してユーザーがサービスを受けられるまでの時間。MTTR(mean time to recovery)とも呼ばれる。
- 平均故障間隔 : システムを連続稼動できる平均時間。MTBF(Mean Time Between Failures)とも呼ばれる。
ちなみに可用性は<作動時間 / (作動時間 + 不稼動時間) ÷ 100>という公式で算出することが可能で、システムの稼働時間のパーセンテージで表す。この数値が高ければ高いほどネットワークのダウンタイムが少なくなり、さらに故障率が低下し、障害発生時の早期復旧も早くなる。ちなみに稼働率が99.999%のことをファイブナインと呼び、サービス提供者側はこのファイブナイン以上の品質を目指していることが多い。
パフォーマンス
- 応答時間 : エンド・ユーザーによるある実行から結果が戻ってくるまでの時間。
- ターンアラウンドタイム : ある要求の開始から終了するまでの時間。
- スループット : 単位時間当たりの処理数。
キャパシティとデータ保全性
- ディスク容量 : あるユーザーのディスク容量を保証する。
- ディスク使用率 : ディスク使用率が一定値を超えないよう保証する。
- バックアップ頻度 : あるデータのバックアップを取得する頻度を定める。
- バックアップデータ保管期間 : バックアップしたメディアを何世代保管するか定める。
その他
- ヘルプデスク・サービスデスク : 平均呼び出し回数、問題解決時間、初回コール解決率など。
- セキュリティ : ウィルスチェックの有無や頻度、アクセス制御の実施、監査ログの取得とチェック、侵入検知、セキュリティパッチの適用と頻度などを定める。
BPMSのSLA
BPMS製品をオンラインで提供することが多くなってきた昨今では、BPMSにおいてもどのレベルでサービスを提供するかということが重要なファクターとなっている。また、利用内容によってはファイブナイン以上のSLAが求められるケースもあり、BPMS製品を提供するにあたっても提供者側と利用者側の間で、サービス提供開始前に十分なSLA合意を図っておく事が望まれる。




