業務フロー図ライブラリ Q Business Process Management

出典: Q-BPM

イベントとは、BPMN記法において、ビジネスプロセス上で発生する事柄・事象を円の形状で図示したもので、その後のビジネスプロセスの進め方に影響を及ぼす重要なモデリング要素である。Event。

目次

イベントの概要

フローオブジェクト

image:Objectoo.png

一般にイベントとは、なんらかの事柄(Something)が生じたことを指す用語であり、その具体的な内容は広範で数え切れないほどある。また、「ビジネスプロセスが進行していく中で生じる事柄」というように定義の表現の幅を狭めても、具体的にどのような事柄が生じるのかを考えてみると、無数にあることがわかる。そこで、BPMNではそのような無数の「事柄」をいくつかのカテゴリーに分類し、ビジネスプロセス上のアクティビティの順序または時期に影響を及ぼすものに限定している。たとえば、「作業の開始」、「作業の終了」、「ある条件下でのメッセージの送受信」などが挙げられる。このようなイベントは、キャッチイベントとしての役割、またはスローイベントとしての役割を果たす。

BPMNにおけるイベントは、アクティビティやゲートウェイと並ぶ重要なフローオブジェクトシーケンスフローと接続するモデリング要素)であり、アクティビティの順序または時期に影響を及ぼすような「事柄」が生じる地点を指す。イベントは、その発生時点に基づいて以下の3種類に分類されている。

キャッチイベント(Catching Events)

ビジネスプロセスの動きと結びついた条件や状況が、あらかじめ定義された通りにその時点で受け取られることで、特定のアクションを引き起こす。つまり、イベントは、定義された条件や状況を受けて(catch)、その次に行われるべきアクションを引き起こす誘因(「トリガー(Triggers)」と呼ばれている)となる。開始イベントおよび大部分の中間イベントがこの役割を持ち、さまざまな「トリガー」によってさらに数種類のイベントに分類されている。

(例) 他部門(他のビジネスプロセス)から回ってきた資料を使って作業を進めるプロセス
本ビジネスプロセスに「(送られてきた)資料」が生じた地点において、本プロセスの開始を引き起こすと捉えることができる。

スローイベント(Throwing Events)

アクションを起こす誘因となる条件や状況に反応し、その「結果(Results)」としてのアクションをあらかじめ定義された通りに行う。つまり、イベントは、誘因となる事柄を受け取った後で行われるべきアクションを設定する(throw)役割がある。終了イベントおよび一部の中間イベントがこの役割を持ち、さまざまな「結果」によってさらに数種類のイベントに分類されている。

(例)「稟議プロセス」と「(稟議内容の)実行プロセス」
あるビジネスプロセスの終了が、一種の「シグナル(合図)」として発されることで他のビジネスプロセスを開始させる場合であり、先のビジネスプロセスの終了地点において後のビジネスプロセスを開始させるという結果を設定していると捉えることができる。

イベントの分類およびマーカー表記

ビジネスプロセスを記述する際に、BPMNではイベントを特性から様々な種類に分類し個別のマーカー(記号)を使用するように定めており、BPMN1.0からBPMN1.1への移行に伴い、視覚的な分かりやすさ・記述の容易さを追及していくつかのマーカーが変更・追加された。イベントの種類は以下の通り。

イベントの発生地点による分類

種類説明マーカー
開始(Start) ある事柄が生じて、プロセスが開始する地点。image:None1.png
中間(Intermediate) ある事柄がプロセスの途中で生じた地点。プロセスの流れに影響を与えるが、プロセスを開始したり終了したりすることはない。image:None2.png
終了(End) ある事柄が生じてプロセスが終了する地点。image:None4.png

このように、すべてのイベントは共通して「小さい円形」で表記される。線の太さと本数で区別されている。

イベントの誘因・結果(Triggers/Results)による分類

種類(Event Details) 説明 マーカー
キャッチイベント スローイベント
開始 中間終了
メッセージ(Message) プロセス上でメッセージを特定の相手から受け取ったり、特定の相手へ送ったりして、プロセスを進行または終了させる。image:Message1.pngimage:Message2.pngimage:Message3.pngimage:Message4.png
タイマー(Timer) 設定した特定の日時・サイクルにおいて、プロセスを進行させる。image:Timer1.pngimage:Timer2.pngimage:NoMarker.pngimage:NoMarker.png
エラー(Error) エラー処理」を表す。エラーは設定した条件を満たせば発生するが、そのような条件が設定されていない場合は任意の条件で発生する。
  1. 通常フローにあるエラータイプのイベントは、エラーを発生させる(スローイベント)。
  2. アクティビティ境界に置かれたエラータイプの中間イベントは、そのエラーを受け取る(キャッチイベント)。トランザクションがハザードし、成功終了や失敗終了(キャンセル)とならない場合はこれに当たる。
  3. エラーを受け取ると、トークンの流れは例外フローへ進む。

このとき、たとえトランザクションの中に補償アクティビティがあっても、「補償処理」は行われない。

image:NoMarker.pngimage:Error2.pngimage:NoMarker.pngimage:Error4.png
キャンセル(Cancel) トランザクションを表すサブプロセスの中で使用され、トランザクションの「キャンセル処理」を表す。
  1. キャンセルタイプの終了イベントに到達すると、トランザクションのキャンセル(失敗終了)が発生する(スローイベント)。
  2. アクティビティ境界に置かれたキャンセルタイプの中間イベントは、そのキャンセルを受け取る(キャッチイベント)。
  3. キャンセルを受け取ると、トークンの流れは例外フローへ進む。

このとき、キャンセルメッセージがトランザクション内の関係者に送られる。トランザクションの中に補償アクティビティがあれば、「補償処理」は、トークンが例外フローに流れる前に実行される。

image:NoMarker.pngimage:Cancel2.pngimage:NoMarker.pngimage:Cancel4.png
補償(Compensation) 補償処理」(アクティビティの実行結果が望ましくないと判断されるときに、そのアクティビティを実行する前の状態に戻すこと)を表す。
  1. 補償タイプのイベントに到達すると、補償の指令を呼び出す(スローイベント)。
  2. アクティビティ境界に置かれた補償タイプの中間イベントは、その指令を受け取る(キャッチイベント)。
  3. 指令を受け取った後、その中間イベントと関連(Association)で結ばれた「補償アクティビティ」が実行される。
  4. 通常のプロセスフローとは逆の順序で、補償が必要な任意のアクティビティが補償される。
image:NoMarker.pngimage:Compensation2.pngimage:Compensation3.pngimage:Compesation4.png
条件(Conditional) 明示された或る条件を満たした(Trueである)時に、プロセスを進行させる。image:Conditional1.pngimage:Conditional2.pngimage:NoMarker.pngimage:NoMarker.png
リンク(Link) 或る長大なプロセスが区分けされたとき、前後の分割プロセスがつながっていることを表す。プロセスがループするときにも用いられる。image:NoMarker.pngimage:Link2.pngimage:Link3.pngimage:NoMarker.png
シグナル(Signal) 他のプロセスやプールからのシグナルでプロセスを進めたり、そのようなシグナルを発信する。シグナルはメッセージと違い不特定の人間に発信される。image:Signal1.pngimage:Signal2.pngimage:Signal3.pngimage:Signal4.png
終結(Terminate) 少なくとも1つのフローが到達した場合、プロセス内の全アクティビティ、複数のアクティビティを同時進行させるマルチインスタンス内の全インスタンスが即座に終結する。「補償処理」も実行されないまま終結する。image:NoMarker.pngimage:NoMarker.pngimage:NoMarker.pngimage:Terminate4.png
複合(Multiple) その地点に、プロセスを進めたり終了させたりする出来事が複数存在することを表す。キャッチイベントの場合、そのうち少なくとも1つが発生すればプロセスを進めることができる。スローイベントの場合、すべての出来事を生じさせる。image:Multiple1.pngimage:Multiple2.pngimage:Multiple3.pngimage:Multiple4.png

関連記事

参考文献

ツールボックス
リンク元
リンク先の更新状況
アップロード
特別ページ
印刷用バージョン
この版への固定リンク


カテゴリ
一般名詞 | 固有名詞 | 汎用業務プロセス | 基幹系業務プロセス | 支援管理系業務プロセス
Q-BPM Q-BPMでは企業内の業務フローについて、そのサンプルプロセスを幅広く例示し、業務フロー図の作成を支援します。 (※ 業務フロー図: 業務の流れ図/ビジネスダイアグラム/業務プロセス図) 当サイトは世界中の協力者を募るクラウドソース型情報発信サイトであり、サイトコンテンツは原則として「特定条件を満たせば転載可能」な「CC-By SA」と呼ばれるライセンスのもとに公開されます。 株式会社クエステトラ このサイトはBPMに興味があるが多数の書籍や文献、難しい用語の調査に膨大な時間を費やしている世界中のビジネスマンの為に株式会社クエステトラによって始められました。株式会社クエステトラはBPMに興味があるが多くの関連用語を調べたり文献を探したりする手間を減らして、BPMを理解したり、BPMを実際に活用したりする時間を世界中のビジネスマンに貢献したいと思っています。

Powered by MediaWiki CreativeCommons By SA